「おもてなし」。初対面の人やお客さま、大切な人に対する気遣いや心配り、思いやりなどの心を表す立ち居振る舞いのことです。日本社会の中で培われてきた文化として、今や世界中の人々に広く知られるようになりました。

 「礼儀作法」も、相手を思いやる心を基本に、その心を具体的な行動として示すための方法です。ところが、流行語にもなった「おもてなし」に対し、「礼儀作法」というとどこか古めかしく、堅苦しい感じを抱く人もいるのではないでしょうか。

 「和・学・美(wa manabi)」を主宰する酒井原ひとみさんは、「上杉の城下町」として知られる米沢市を拠点に、日本伝統の礼儀作法や、それを通した「おもてなしの心」の伝え方を国内各地、そして世界中に普及させる活動を展開しています。米沢から全国・世界へ、和文化を下地にした多角的な活動を行うため、2016年に「和・学・美」を設立しました。

 「海外からも認められている日本の礼儀作法ですが、現代日本において多くの日本人が、慌ただしい社会生活や核家族化の中で忘れかけているように感じます。礼儀作法やおもてなしの心を多くの人たちに伝えるとともに、地域の活性化にも何かの役に立ちたいと思い、『和・学・美』を立ち上げたのです」

 企業・団体向けの研修会や生涯学習講座などで日本の礼儀作法や和文化、マナーなどの指導に当たるほか、台湾やベトナムに赴き、現地の大学で授業を行うなど、幅広く活動を展開しています。

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